??? 我々の知る写楽は、日本では価値を認められず、ヨーロッパ人によって評価されたのがブームの契機となったそうだ。そんな、いわゆる「逆輸入」的メイドインジャパンをコンセプトとして、日本の調理器具の名工が揃う新潟県燕市で開発されたのが、この「SHA RA KU MONO」シリーズ。
???鍋やサラダボウル、カトラリーなどのラインナップを見るにつけ、「え、コレが日本製なの?」という、デザインの軽やかさとシンプルさが際立つ。素材も鋳鉄やステンレス、アクリルなどでヨーロッパ的デザイン。かと思えば、食器類はむしろアジアンテイスト。ぶっちゃけて言って、「カッコいい」のだ。
???中でも「鋳鉄」製の鍋シリーズは、ニューヨーク近代美術館(MOMA)のカタログに掲載されるほど、いままさに注目を浴び始めている。
???岩手県の伝統技術、南部鉄器でできたこのキャセロール(両手鍋)は、鍋と取っ手が一体化しているので取れる心配もなく、鋳鉄の厚みを生かした理想的な熱効率で、食材を柔らかく仕上げてくれる。流れるような輪郭を持つ鍋自体のデザインも美しいが、食材トレイの役割もするステンレス製の鍋蓋との色、質感のコントラストも美しい。
???ステンレスの鍋蓋は中央が盛り上がった山なりの形をしており、薄切り肉などの食材を盛り付けてもきれい。鍋自体が卓上での使用を意識しているので、全てのパーツを「食器」と考えたデザインは、ヨーロッパのものにもない、秀逸なもの。パーティーの卓上で、しゃぶしゃぶなどの鍋料理をする時にも映えるだろうし、じっくりと火を通した肉の赤ワイン煮やラタトゥイユ、ブイヤベースなどを調理したまま盛りつけておいてもいい。
???キレのいいデザインも機能も満足度が高く、世界に誇りたい「メイドインジャパン」の鍋である。ぜひ、こだわりのキッチン、ダイニングに置いて欲しい。(河ア 環)